これから押井守の話をします。長くなります。フォロー外すなら今です。つうか俺が押井守語るとホントウザいので、外した方がいいと思います。マジで。と、いうと、また根拠ない賞賛すんのかと思われるかもしれませんが、今回するのは「押井守はいかにくだらないか」という話です
まず、私、昔「押井守はいかにすごいのか」ロフトプラスワンで朝まで語り、その後肺炎で入院したことがあります。その私が語る「押井守はいかにくだらないか」というお話です
まず、押井守はたいして才能のないつまらない映画監督であると『仮定』してください。無論、狂的ファンである私自身、これに異論を唱えまくりたいところですが、あえてそう『仮定』するのです。
例えば、スカイクロラにおいて、押井守は事前のインタビューでこう言い続けました。「これは私が初めて若者に対して何か伝えたくて作った作品である。」ですが、まぁ、見た人は知ってるとは思いますが、何の事はない『いつものヤツ』です。今までと何の違いもない。普通の押井映画です
スカイクロラは中毒者である私には興奮MAXなブツですが、押井守に特別な思い入れのない方は「ツマらない」もしかしたら「騙された!」とまで思うかもしれません。
そりゃ、そうです。「私が初めて若者に…」とか言ってて、いつものヤツなわけですから、詐欺です。100%騙されてます。
しかし、ここでジョジョのお父さんのように「逆に考えてみる」のです。詐欺にかける側に立って考えて見るのです。
押井守であるあなたは才能がなく、何を撮っても同じ映画になってしまう。つまらない映画しか撮れない無能監督。じゃあ、どうするか。押井守たるあなたは映画によって何を実現しなければならないのか。
押井守はこう考えました。俺が実現すべきは『次の映画を撮れること』。『次の映画が撮れたら俺の勝利』これは私の創作ではありません。押井守自身が著書で(さすがに、そのものズバリではないものの)書いてるのです。
だから、彼は勝敗論で「俺は常勝の監督である」と語っているのです。これは嘘ではありません。押井守は未だに新作の予定があります。彼は勝ち続けているのです! 常勝なのです!その勝利を支えているのが、先に言った事前インタビューの『詐欺』なのです。
彼ほどよく語る監督はいません。あきれ返るほどたくさんの言葉を連ねます。そして物凄い上手いのです。何が上手いのか。「次の作品」に期待させるのが上手いのです。
冗談ではなく。アニメ関係者はもっと彼のこの『能力』『技術』に関して研究していいと思います。それぐらい、毎回見事な詐術です。その手際はまるで彼の作品『立喰い師』の手腕を彷彿とさせます。
なぜ、それが可能なのか? 彼はその『勝利』の獲得に関して、実に真摯なのです。毎日その事だけを考えているのです。常に貪欲にその機会を狙っているのです。
そんな馬鹿なことに心砕き続ける監督なんかいません。だから彼は業界のどんな演出家も怖くないと言ってるのです。
無論、言い訳ばかりする演出家や監督はいます。押井守がそういう有象無象と一線を引くのは、「そのことに自覚的である」ことです。彼は自覚して嘘をついているのです。だからその事を本に書けるのです。
例えばですね。押井守が(そんな事は勝利条件の否定になるので、絶対にしませんが)「次の作品で失敗したらアニメ辞める!」と言ったとしましょう。その上でそのアニメがホントに大失敗したとしましょう。
普通の人が耳目を集めるための方便でそれを言った場合。最初は嘘だったとしても、それに耐えられないので、途中で信じてしまうのです。「失敗はしたが、俺は辞めない」となります。
しかし、押井守なら「成功したので監督を続けます」としれっと言うでしょう。その上で何が成功したかを、どう語るか、どう誤魔化すかをずっと考えてる。というか、最初に「失敗したら…」と言った時点でどう言い訳するか考えてるのです。
でも、まぁ、最初に言ったように、彼の勝利条件と真っ向対立するので、絶対に「次の作品で失敗したら辞める」なんて言わないでしょうが。
人間として見た場合「失敗したけど辞めない」の人の方が信じられます。実に人間らしい素直な反応です。しかし、詐欺師としては二流です。
しかし、考えても見てください。あなたがアニメ監督だったとして、宮崎駿のような超絶演出家になれると思いますか? 佐藤順一のようなソツない演出を呼吸するようにできる技術者になれると思いますか?
なれるわけがありません。彼らは万分の一の天才。神に選ばれし英雄なのです。しかし!! ここにそれと並び証される凡人がいる! しかも詐術だけで! 注目しない方が嘘です。
スカイクロラの「これは私が初めて若者に…」を見た時思うのは「今回はこう来たか!!」です。「さすが押井守!」です。そして、それを味わい尽くしたあと、映画を見て『ああ、ヤッパリいつものだ!」と安心するのです。「今回も素晴らしい立喰いだった! ありがとう!!」と、満足するのです。
あなたが凡人であり、しかもなるべく楽をして成功したいなら、押井守から学ぶべきです。凡人であり、そんな虫のいいことは考えてはいないなら、凡人がいかに詐術で世間に立ち向かって行くのか、息を呑んで見守るべきです。もしあなたが押井守アンチなら、毎回どう言い訳するか注目できます。
どうですか!? 押井守に注目したくなったでしょう!!?
無論、ここまでの論は『押井守は無能である』と仮定した場合です。実際の彼は日本有数の名演出家なのです。本当デスよ?
押井守がいかにすごい演出家かは多くの人々が語っていますので、それを読んで下さい。一回肺炎で倒れるくらいではまだまだであります。私は若輩者でありますよ。
仕事場行って中国嫁の更新準備します。押井論最後まで読んで下さった方々ありがとうございました。